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09/19/2005

読後感想

この連休の間に、ちょっと集中して読書をし、「中国経済革命最終章」(日本経済新聞社刊 関志雄著)と「龍の契り」 (新潮文庫刊服部真澄著)の二冊を読みました。「中国経済」は前から読んでいたものをようやく読了、「龍の契り」 は半日費やして一気に読み終えたものです。

「中国経済」は現在中国の経済システムの問題点について分析したもので、 銀行制度の問題点や為替制度についての分析などなかなか読み応えがありました。この本の中が出版された後に、 著者の提唱している通貨バスケット制が採用されたことは周知の通りですが、最近の経済を論じた書物の難しさは、教科書に使われるような、 理論書を除くとまさに、「生もの」だなということを実感した次第です。これだけ、めまぐるしく変化する世界経済を論じた本は、 まさにその時々の旬の分析を行っているわけですが、制度や環境の変化によって、「過去」のものとなってしまうわけですから、 こういう範疇の本を書くのも大変だなと思います。また、読む方も、すぐに読まないと、時間の経過とともに世の中の変化により、 読もうという意欲も減退してしまうわけで、著者も読者も旬を逃さないようにしないといけないという、 結構厳しい状況にあるのだということになります。いわゆる「積ん読」は許されないという事です。
結局、この本では、現在の中国の経済を含めた諸制度の矛盾は、今の第四世代の指導者ではなく、 文革以降に大学を卒業した第五世代の指導者の登場を待たねばならないという結論でしたが、 それまでこれだけネットワークを介した情報が飛び交う時代に、待てるのだろうかという懸念を持ったのが、私の感想です。
もう一冊の 「龍の契り」は1997年の香港返還をテーマにした小説ですが、舞台が美国、日本、英国、中国、香港を舞台にしたフィクションで、 香港返還に関する謎をあつかった1995年の作品ですが、こちらの方は小説ですので、10年が経過した、今読んでも十分楽しめました。 99年間の租借権が切れたとき、なぜイギリスはああもたやすく、東洋の真珠とも言うべき香港を返還したのか?たしかに、私の記憶でも 「本当に返すんだ。(当時の)中国に返して大丈夫なんだろうか。経済活動はどうなるんだろう」と思ったことを覚えています。 なかなか躍動感のある、ちょっとスパイ小説のような、次を読み進めたくなるようなおもしろい作品で、一気に読み切ってしまいました。 この作品を読んでいて感じたのは、-ひょっとして私だけかも知れませんが-、 人間の思いこみというのは一度思いこんだらなかなか消えないという点です。映画と違って小説のおもしろさは、自分が登場人物をイメージし、 映画監督のように登場人物にそれぞれある「キャラクター」を設定することだと思うのですが、自分が思い描き登場人物に与えたキャラクターは、 読み進んでいってもほとんど変わらないということ。多分、作者も読み手の感じ方を期待していたのではないかと思いますが。 小説を読むのは久しぶり。最近読む本が実用書にちょっと偏っているという反省とともに、結構楽しめた一冊でした。