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2015年5月

05/24/2015

巨龍の苦闘をよんで・・・

「巨龍の苦闘」(津上俊哉著)。期待通りの内容の本、中国の経済・政治・外交と広い分野にわたって鋭い分析が満載されたおすすめの一冊。800円(税別)は安い!と思う。

本書で「あてにならないGDP統計は忘れろ」と著者は言う。自社製品のおかれている中国市場でのポジションをしっかり認識することが重要で、現場の情報分析が重要となっているのは言を俟たないだろう。3年で駐在員が交代しているようでは変化についていけないと個人的にも感じているところ。日本の2.5倍のGDP規模を持つ市場で自社の成長性をどう見るのか。各企業にとってもまさに本書の言う「プロの情報と見立て」が必要な時代になったと思う。日本のビジネスパーソンにとっては、これまでは成長の止まった日本市場よりましで、とりあえず参入していれば市場の成長規模に比例しておこぼれが頂戴出来ていたおいしい(?)中国進出の時代は過去のものとなった。まさに著者の言う「各社各様・是々非々で、当たった試しのない『日本の空気』に左右されずに挑むべき」時代が訪れたと思う。

本書は細かいところまで行き届いた分析が全書にわたってなされている。たとえば中国政府が2015年度の経済成長目標が7%に拘るわけも、第13次五カ年計画の6.5%成長のボトムラインと「中国夢」の関係などいろんな視点から分析されており、なるほどと思う分析が各所にみられる。都市化が成長に及ぼす問題などもそうだ。

著者は習近平政権を「ノーアウト満塁」のピンチを託されたリリーフエースにたとえている。ただどの場面のノーアウト満塁かまでは明記されていないが、小生には9回の裏に、同点に追いつかれてノーアウト満塁で登場したリリーフエースのような気がしてならない。たとえこのピンチを乗り切っても、代わりがいないから10回の裏も当然投げることが運命づけられているという厳しい状況に登場したリリーフエースだ。

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